最近は片道10キロ程の距離ならば自転車漕いで仕事に行きます
それも「気持ちが良い」・「健康にも良い」・「好きなとこへ食事に行ける」
などの理由から
（一番最後がメインか
v(￣∇￣)v）この日は台東区日本堤でお仕事、昼休みには土手通りを浅草方面へ5分程走ったところにある
洋食「大木」さんへ
浅草駅からだと徒歩15分位でしょうか。
こんな昔のままの洋食店があったんですね。知らなかった
表にはメニューが
「本日カツカレーデー」
８５０円→７５０円のようです
これはお得ですね
お店には風格を感じますが、入りにくい邪魔なオーラは感じません
いつも通り「こんにちはー」と声を掛けながらお店に入ると・・・
まるでおばあちゃん家に来たような・・・
そこには年季がどうとかって次元をはるかに超えた風情がありました
優しそうなコックさんが「いらっしゃい」と迎えてくれました。
一人でお店を切り盛りされている様子。
先客はなし。
初めてみる客の顔を少し伺うようなおじちゃん。
「良いお店があると聞いてきたんですー」とたぬきが云うと
「あれあれそうなんですか、まあどうぞ」とにっこりと笑顔になってくれましたヾ(=^▽^=)ノ
壁には今は亡き「立川談志師匠」の直筆書がありました。
「立川談志師匠」が常連だったよう・・・なんだかそれだけで興味がでちゃいます。
さて、何を頂きましょうか
いつもならば日替わりサ−ビスの「カツカレー
」、もしくは「カツ丼」といく所ではありますが、
「すいませーんハンバーグ定食おねがいしまーす
」ふふふ、珍しい注文ですv(￣∇￣)v
うどん屋さんのようなイスには「蓮の花」の写真があります。
一人でこの空間にいると・・・
なんだか50年だけ時を駆けたような・・・
厨房ではおじちゃんがフライパンを駆使してハンバーグの調理中
「此処に日本の洋食の原点がある」と良いなあ
10分程お店の雰囲気を味わっていると、
「はい、お待ちどうさま」と
ハンバーグ定食８５０円が登場しました
お漬物は「自家製カブ漬け」と「キュウリに豆板醤和え」 （だと思います）
カブは少し辛いけど、キュウリは美味しい〜
これでビール飲みたくなっちゃいました
そう云えば冷蔵庫に「瓶ビール」が冷えていますがメニューには載ってないな〜
ま、仕事中の昼休みですから☆
美味しそうな半熟目玉焼きの下はどんなんかな〜
こんなんだよー
肉汁とケチャップが絡まって、とっても美味しいソースに仕上がってます
ふんわり柔らかいハンバーグは楽々とお箸で切れます
中身もふっくら
程よい「繋ぎ」が肉汁を封じ込めています
「これは美味しい〜
」恐らく幼稚園男児からおじいちゃんに到るまで、
この味が嫌いな男は居ないんじゃないかなあ
どーですか男性諸氏
この黄身のタレ具合は
でも家庭で出てくる母の味とはとは微妙に違う、プロの味なんだな
ポテサラはマヨネーズが主体。
ソースを掛けて食べちゃおうっ
お味噌汁の具はワカメで「ホっ」するお味。
とてもとても美味しく、完食しましたヾ(´ω｀＝´ω｀)ﾉ
このあとおじちゃんとお話する事が出来ました。
スカイツリーの写真を持って来られ、
「こんなのばっかり撮ってるんですよ、いかがでしょう？」
「上手ですね！ コレも綺麗だけど、そこの蓮の花もおじさんが撮ったんですか？」
「はい、そうですよ」
「私、この蓮の写真が好きです」とたぬきが伝えると、
「そうですか、自然さを大事に撮りたいんです出来るだけ素直に。
上手に写らなくてもそれはそれで本当の姿ですから」
おじちゃんの名前は「くらしま」さん。
店名の「大木」さんではない事に少々の違和感を感じました、すると・・・
「私は信州から口減らしで東京に出されたクチなんですよ」
「昭和28年に小僧で入店しずっとここで働いてます、76歳になりました」
・・・もう59年目って事かな・・・
「先代が無くなって任されてやってます」
「じゃあオーナーさんは別にいるって事なんしょうか？」
「ハイ。」と静かな笑顔のおじちゃん。
ここの持ち主は先代の息子さんなんだそうです。
人のお店で59年間殆どお店を休まず営業を続けられおられるようです。
「メニューは殆ど変わってません、戦争の時は食材が無くて困ったそうですけど」
「その時は千葉から闇米を抱えた女性が米を売りに来ました」
お話を聞くとなんとその時の女性、かなりの高齢だそうですが今でも子供さんに送ってもらい魚を売りに来られるのだそうです
「今は高齢だけど、昔は若かったよ」ニヤリと笑うおじちゃん
。何だか見ず知らずのたぬきに、短時間で凄いお話を聞かせて頂きとっても嬉しくなり、
「私、こんな顔で役者やってるんですよ、花やしきで座長をさせて頂いた事もあるんです」
とたぬき。
何だかおじちゃんに自分の事も聞いて欲しくなっちゃったんです。
ま、聞かれてもないんですが
「へー、そう！木馬館に出てるの？ 」
「いえ、芸人さんではなくて（笑）」
正直、失礼ながら「ハンバーグ」は期待してたよりかなり美味しかった
「ご馳走様でした。また来させて下さいねっ！今度はビール飲みたいです
」と言うと・・・おじちゃんは茶目っ気タップリの笑顔で、
「ふふふ、うちはビールをメニューに載せてないんだ。だから一本3万円！とだって言えるんだよ
」と云うおじちゃん。
「良かった！じゃあ、きっと貧乏役者ならめちゃ安いんだろうねっ
」って言っときましたv(￣∇￣)v
おじちゃん、本当に本当にご馳走様でした。
４０分の滞在でしたが、最近ざわつき気味だったたぬきの心が優しい気持ちになれました。
他人のお店で５９年間コックとして働くと云う事とは、どんな事なんだろうか・・・
今も心の中で考えていますが、自分なりの答えもでてこないんです。
おじちゃんにそんな事は聞かないけれど、またおじちゃんの笑顔を見に行きたいと思います。
そしてキュウリの漬物をアテに時価のビールを飲んでから・・・
「おじちゃん、カツ丼一丁！ って云ってやろ」
お店は清潔ではないかも知れません。
でも、汚くもありません（笑）
何かに迷った時には、たぬきはおじちゃんに会いに行く事でしょう・・・
だからおじちゃん、元気で美味しい物作っていてね
→洋食「大木」さん
